『モリコロパーク探究学習』とは、愛知県内の学生たちが自然と触れ合いながら様々な体験を通して学びを深めることを目的としたプログラムです。
庭師の親方と共に、木の剪定や砂紋描きを通して自然のつくる美しさを感じ、自然と共存する知恵に触れていきます。
モリコロパークの豊かな自然環境の中で、五感を刺激されながら主体的に学ぶ貴重な機会となります。
今回のワークショップは以下の3部構成で、技術と文化的な価値を統合的に体験していただきました。
1. 花桃の剪定(手入れ)
ブランチライン等の樹木の発するメッセージを受け取り、刃物を入れることによって命を輝かせる「植物と人間の関係性」を体感。太陽光と風通しを良くし、樹勢を回復させるための「引き算」の重要性を学びます。
2. 枝アート(制作)
剪定で出た不要枝(ゴミ)を繋いでいきながら自由な形状のアートピースを制作。母樹の形にシンクロする作品や、強い個性を持つ作品など、多様な創造性が発揮されます。
3. 枯山水の砂紋デザインと「消して間を作る」(庭づくり)
砂利の上に模様を描く砂紋を描き、描いた後に部分的に消去していく(ゼロに戻す)行為を体験。この「消す」作業を通じて、作る時とは異なる身体感覚や心境の変化、そして「間」を創出することによる寂寥感と物語性の誕生を学びます。
参加者は、自然(木・石・土)との対話を通じ、人と自然がシンクロして世界を形作る感覚を体験し、「作る(積み上げ)」だけでなく「消す(休息・ゼロ化)」の循環が、心と空間の健全性を保ち、本当にやりたいことを立ち上がらせる意図的な「間」の重要性を感じました。
このワークショップを基盤として、今後も選定や庭づくりをセットにしたプログラムを提案し、学習、国際交流、地域文化振興へつなげることを目指します。
自然とのコミュニケーションと空間の価値を体験的に学ぶ、充実した一日となりました。




